点と線と円
こんなことを呟くお母様。
「今日ようやく円になったわ…」
ん?と思い尋ねてみる。
「 そうよね、何のことかわからないわよね・・・。
実はね、恥ずかしい話だけど、娘は反抗期の時があったの。
まったく私の話を聞かなかったわ。
でね、その時は悩んだわ。どうしたら素直に話してくれるかしらって。
でも、今わかったわ。いえ・・・思い出したのね、娘のこの手紙で。
私もそうだったのよ。
若いころは何かにイライラしていて誰かが悪いわけでもないのに不機嫌で、
でも謝るタイミングをなくしてしまってずっとモヤモヤしてたの。
反抗期が終わって母とも普通に暮らせいてたけど、
まだあの時の気持ちがまだ整理ができなかった。
好きな人ができて娘を授かって結婚式の日
今の娘のように手紙を書いた。
きっと今の娘はあの時の自分ね。
あの時の反抗期が点。
反省をして伝えたい想いが線になって、
この手紙で円になる。
そして娘の娘もまた同じ想いをして幸せを繰り返す・・・。
結婚式って素敵ね 」
お母様はそういって花嫁の手紙をたたんだ。
花嫁様は手紙を読んではいない。
ただそっと、お母様だけにわかるように仕込んでいた
読み終わった母にそっと目線だけで送って
La Blanche Maison